社員旅行
社員旅行は、同じ職場で働く人たちのきずなを強めるという理由で根強い支持を得てきましたが、最近では数が減っているそうです。東京のある研究所が全国の企業500社について調査したところ、96年に社員旅行をした企業は76パーセント、現在集計中の今年の調査では60パーセント台に落ちそうだということです。
中でも人気が落ちているのは、いわゆる「温泉、宴会型」の社員旅行だそうです。「温泉、宴会型」を支持する人は、温泉旅館に泊まってゆっくり酒を飲むことによって、ふだんは言えないことも社長や上司に言えるといいますが、これは主として男性社員の声で、女性社員の間では、この型の旅行は人気がありません。このため女性の発言権が大きい職場では女性のための別の旅行を考えなくてはならないので、いくつかのグループに分かれて違うところへいく場合もあるようです。女性には都市型ホテルに泊まって買い物や見学をする旅行や、ソーセージづくりに挑戦したり、そばをうったり、海岸で地引網を引いたりする体験ツアーが好評だということです。今、新しいタイプとして、よい成績を上げた社員にほうびとして旅行をさせることもはやっています。
何のために旅行するのでしょうか。①「かわいい子には旅をさせよ」の昔と違って、今は、人が楽しい気持ちになって心身が開放されることが旅行の目的でしょう。社員旅行でその目的が達せられるなら、問題はないのですが、社員全員が楽しめ、人間関係がよくなり、労働意欲がさかんになるような社員旅行は、今日では難しくなっているようです。
注釈:
きずな(絆) 「名」 情谊,纽带
根強い(ねづよい) 名 根深蒂固的,坚忍不拔的
台(だい)「接尾」大致的程度,范围
グループ 名 组
ソーセージづくり(ソーセージ作り) 連語 做香肠
地引網(じびきあみ)「名」曳网,拉网
ツアー「名」旅游
ほうび(褒美) 名 褒奖,奖励